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2008年8月

過年度遡及修正と制度会計

少し涼しくなったかと思えば、また暑い日が戻ってきそうですね。

最近、学生相手のリクルート活動をやっています。相対的に見て、私の学生時代よりも今の学生は真摯で、忘れていた新鮮な気持ちを呼び起こしていただいている今日この頃です。

さて、以前書いた記事の中で過年度遡及修正について述べたものがありました。この話題は、会社法、税法、金商法という制度会計の目的を考える上でも示唆に富んだものとなっています。

一般にいってそれぞれの制度会計の目的は、

①会社法:配当可能利益の算出

②税法 :担税力の測定

③金商法:投資家に対する情報提供

ということになっています。ここで、過年度遡及修正の目的は情報としての比較可能性の担保ですから、③の対応は必須ということになるのでしょう。

他方、①については、会社法の計算書類は、情報の開示のためのものではないという指摘もあるところであり、任意的に過年度事項の総会への提供を認める、会社計算規則161条3項での対応で十分であるとの結論をとることも可能でしょう。

②についても、一度確定した税額を遡って修正させるということは現実的ではありません。

さらに、③についても、すべての開示書類を遡及的に修正させるかは政策判断のありうるところです。

また、③についても、実務的な問題から、一定の限定された書類(たとえば有価証券報告書だけ)や限られた期間(たとえば1年前まで)が対象となる可能性もあります。

このような自体となると、そもそも過年度遡及修正の意義自体が問われてくることもありえます。

このように、それぞれの制度会計の目的の観点からも、過年度遡及修正の問題は大きな問題といえます。

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証券化1

最近、仕事の関係で、証券化について勉強しています。

証券化商品としては、サブプライムローン問題で有名となったRMBSやCDOなどがあります。

私と証券化との関係は意外と古く、学生時代に初めて証券化の仕組みを本で読んだ時は、法律の世界でなんと創造的な分野があるものだと思ったことを覚えています。また、学生時代のゼミ論文で証券化の倒産隔離について検討したこともあります。

その時から、もう少し真剣にこの分野を勉強しておけばと思っている今日この頃ですが、あまりこの分野に突っ込みすぎていると、サブプライムローン問題の余波を受けていたかもしれません。それも良し悪しですね。

さて、証券化については、格付け会社の責任がクローズアップされています。EUや米国では、格付け会社の規制が導入されそうな気配です。我が国の格付け会社規制も時間の問題かもしれません。

ただ、日本において証券化商品に格付けを使用することは、それほど数は大きくないようで、格付け会社の規制の影響も思ったほど大きくないのかもしれません。

私の私見では、サブプライムローン問題のA級戦犯は格付け会社ではなく、証券化を過度に推し進めた金融機関にあります。これらの金融機関の責任を問わずして、サブプライムローン問題の禊はすまされないのではないでしょうか。

とはいえ、証券化は倒産隔離やオフバラなどの点で優れた仕組みであるので、形を変えて今後も活用されていくものと思われます。

ポストサブプライム後の証券化の分野は、まだまだ研究し甲斐のある分野であると思います。

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過年度修正と訂正報告書

久々の書き込みです。いつのまにか8月。暑くなりましたね。

さて、最近ASBJにおいて「会計上の変更及び過去の誤謬に関する検討状況の整理」が公表されています。http://www.asb.or.jp/html/documents/summary_issue/retro2/

これは、国際財務報告基準(IFRS)の対応の一環として、会計方針の変更、表示方法の変更及び過去の誤謬があった場合に、過年度の財務諸表に遡及して適用しようとするものです。

すなわち、ある会計年度において会計方針の変更をした場合には(たとえば、棚卸資産の原価配分の方法)、当該会計年度の財務諸表だけでなく、遡れるだけ遡った従前の財務諸表にその会計方針を適用して、修正しようとするものです。

この会計基準が適用になると、金商法上の開示書類も影響を受けることになります。

現行法上では、従来出した有価証券報告書、有価証券届出書等について、訂正報告書を提出する方法があります。

しかし、過去の誤謬であるならいざしらず、正当な理由に基づく会計方針の変更についても、訂正報告書を要求することには、疑問の余地があります。

また、自発的訂正の「重大な事項の変更」に当たるのかも問題でしょう。

この会計基準の適用はまだ先ですが、法改正をして、訂正報告書の趣旨を変更する必要があるのか、それとも現行の建付けをもとに対応するのか、今後の実務への影響も含めて、注目される問題です。

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