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2008年10月

格付会社

今日は、久々に日経平均が9000円台に回復しました。まだまだ予断を許しません。特に麻生総理の消費税増税のニュースがどういった影響を与えるのかは、明日になってみないと分かりません。

巷のニュースでは特別減税、消費税の増税、解散・総選挙の見送りの話でもちきりでしたが、11月15日の首脳会談で格付け会社の規制の在り方を議論することも明らかになりました。

格付け会社は今般のサブプライム問題のA級戦犯としてとりあげられているのですが、正直、日本発の証券化商品自体が少ない現状において、日本においてどれほど格付け会社を規制する必要があるのかは簡単には判断できません。

日本において、格付けは専ら社債について利用されているものであり、社債における信用性の指標として格付けは一定の評価を得ているものと思われます。

もっとも、国際的な協調行動が要求されている今、日本だけがなにもしないというのは現実的でないのも事実です。

一方で、格付け会社には表現の自由に関わる問題もあり、どのような規制がなされるのか、その規制によりどれほど投資家に有益な効果があるのか、格付けの指標としての意義を失わせることはないのか等を考慮せずに、他国に追従するだけでは意味はありません。

格付け会社の問題点を改善し、今回の金融混乱のもとは業界全体であることを認識しつつ、日本の投資家構造の問題、金融手法の過剰なモデル化の問題、過度のグローバル化の問題等、関係者にとって反省点となるものを今後の糧にすることが重要であると思います。

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金融危機とディスクロージャー

 世界的な金融危機がとまりません。日経平均はついに7000円台に突入し、円高が収まる気配もありません。今後、実態経済にどれほどの影響があるのかは想像を絶します。

 そんな中、多くの有価証券を抱える銀行から時価会計の凍結を求める意見が出されています。

 これに対して、日本公認会計士協会などは反対の意見を表明しています。

 私としても、金融の不安定な時期に、ある意味ディスクロージャーの緩和である時価会計を凍結することには反対です。市場関係者が疑心暗鬼になっている局面において、厳格なディスクロージャーを行わせることを当局ないし関係者が明らかにすることの方が、市場の混乱を鎮める近道であると思うからです。

 ディスクロージャーについては、一部誤解があり、「ディスクロージャー=経営責任を問われる」と考えている経営者もあるように思われます。ディスクロージャーはあくまで中立です。経営責任を判断権はあくまで情報を受領した投資家にあります。そのため、表面上いくら数字を良くしたとしても株価は下がるときには下がります。

 他方で、いくら数字が下がっていても、投資家がそれは経営責任の問題ではなく、市場の混乱によるものと判断すれば、経営責任を問われることはありません。

 今回の金融市場の混乱に対して、日本の経営者の責任は諸外国と比べて大きくはないものと思います。だからこその円高なのでしょう。

 世界的な金融不安を鎮めるためにも当局および関係者の適切な対応が求められています。

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新株予約権付社債と組織再編

 新株予約権付社債は、社債に新株予約権が付されたもので(会社法2条22号)、両者を分離して譲渡・質入れすることができないとされます(254条2項、3項)。

 他方で、合併などの組織再編の場合には、社債と新株予約権が分離するような規定となっています。たとえば新株予約権部分については749条1項4号ロが、社債部分については同号ハによって分けて規定されており、さらに新株予約権の消滅について、特別に750条4項の規定があります。 

 すなわち、通常の新株予約権付社債は、新株予約権部分と社債部分を分離して譲渡することはできませんが、組織再編の場合には、「消滅会社の新株予約権部分は消滅し、あらたに存続会社の新株予約権が発行されるのに対して、社債部分は消滅会社から存続会社への承継され、その後社債部分と新株予約権部分が結合する」と考えることもできるような規定となっております。

 このような規定がなされたのは、立法者が本来的に債務である社債と出資に係る新株予約権との性質の違いを考慮した結果なのかもしれません。

 会社法上は組織再編の場合は原則分離譲渡禁止の特則であると解釈することによって克服可能でしょう。ただ、問題は、金商法上の組織再編成に係る有価証券届出書の提出に際して、新株予約権が発行されたと考えるのか、新株予約権付社債が発行されたと考えるのかという点です。

 私自身は、金商法上の組織再編成に係る有価証券の「発行」という概念はフィクションの部分を含むものと考えているので、会社法上とは別の視点に立って、新株予約権付社債が発行されていると考えることができるのではないかと考えています。

 いずれにせよ、上記の点も会社法と金商法との関係を考える上で面白い問題であると思います。

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中国の会社法

 会社法が施行されてから2年がたちます。同時に中国の会社法(公司法)も同時期に大改正がなされ、施行されています(平成18年1月1日)。

 中国の経済発展に目を見張るものがあることは、最近のテレビの特番や北京オリンピックを見ていても感じることができますが、同時に法的なインフラも(形式的かどうかは別として)整いつつあるようです。

 中国の会社法は日本の会社法とおなじ成文法典であり、有限責任公司が株式有限責任公司よりも前に規定されているなど、日本の旧商法の規定の順序に影響を受けたのではないかという部分もあります。

 とはいえ独自色もあり、なかなか面白いのは、法人格の否認の法理を明文で規定した点でしょう(20条)。

 また、大株主(オーナー)による会社支配が横行しているのか、この点を意識した規定があることも興味深いところです(21条)。

 さらに、法改正のスピードも速いことの中国会社法の特徴でしょう。会社法が成立してまだ15年程度しかたっていません。まだ、ただの物まねの域をでないとの指摘があるかもしれませんが、このスピード感と貪欲に最先端のルールを取り込んでいく姿勢には中国の勢いを感じざるをえません。

 とはいえ、まだまだ中国が世界のルールを作る時代がくるには時間的猶予があります。日本は日本で世界に向けて自らのスタンダードを主張していく必要があるのでしょう。

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