新株予約権付社債と組織再編
新株予約権付社債は、社債に新株予約権が付されたもので(会社法2条22号)、両者を分離して譲渡・質入れすることができないとされます(254条2項、3項)。
他方で、合併などの組織再編の場合には、社債と新株予約権が分離するような規定となっています。たとえば新株予約権部分については749条1項4号ロが、社債部分については同号ハによって分けて規定されており、さらに新株予約権の消滅について、特別に750条4項の規定があります。
すなわち、通常の新株予約権付社債は、新株予約権部分と社債部分を分離して譲渡することはできませんが、組織再編の場合には、「消滅会社の新株予約権部分は消滅し、あらたに存続会社の新株予約権が発行されるのに対して、社債部分は消滅会社から存続会社への承継され、その後社債部分と新株予約権部分が結合する」と考えることもできるような規定となっております。
このような規定がなされたのは、立法者が本来的に債務である社債と出資に係る新株予約権との性質の違いを考慮した結果なのかもしれません。
会社法上は組織再編の場合は原則分離譲渡禁止の特則であると解釈することによって克服可能でしょう。ただ、問題は、金商法上の組織再編成に係る有価証券届出書の提出に際して、新株予約権が発行されたと考えるのか、新株予約権付社債が発行されたと考えるのかという点です。
私自身は、金商法上の組織再編成に係る有価証券の「発行」という概念はフィクションの部分を含むものと考えているので、会社法上とは別の視点に立って、新株予約権付社債が発行されていると考えることができるのではないかと考えています。
いずれにせよ、上記の点も会社法と金商法との関係を考える上で面白い問題であると思います。
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サブプライム問題の教訓―証券化と格付けの精神 著者:江川 由紀雄 |
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