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2008年12月

投資信託1

信託法が大改正されて、はや1年が経っています。

「信託」という言葉自体は「信託銀行」たど物心がついたときにはしっていたのですが、法律的にその存在を理解したのは、破産法の講義のときでした。破産法には破産財団や破産管財人の地位、破産債権者の地位、否認権等を整合的に説明するための理論として、破産理論というものがあります。

この破産理論としては、なんといっても兼子一の「暗星理論」が有名です。これは、破産法の種々の制度を理解するために破産財団に見えざる法人格を認めるという理論です。

暗星とはブラックホールのことで、目では見えないのだけど、理論的に詰めていくとそこに星がなければおかしい。すなわち、破産法の制度を整合的に位置付けていくとすると破産財団に法人格がなければおかしいというわけです。

その後、亜種として信託説というものが出てきました。すなわち、破産理論は信託だとすることで説明できるのではないのかというものです。

ここで初めて信託というものに興味をもったのですが、そもそも信託法の分野でも信託という制度をどのように位置づけるのかで議論があり、信託説は破産法の議論の答えを信託法に押し付けているようにも思えます。

このような哲学的な理論に興味を持ちつつ、あまり存在意義を感じないのは、信託というものが民法の世界よりも商法の世界で多く使われているためかもしれません。商法の分野では、哲学的な理論的整合性よりは、スキームとしての側面をそのまま受け入れる傾向にあるように考えられます。

信託で一番多く使われているのは、なんといっても投資信託ではないでしょうか。投資信託は多くの人が購入しているものであり、アメリカでは預金残高を越えているとまでいわれています。

投資信託には「投資信託及び投資法人に関する法律」というものがあり、信託法による規律だけでなく特別法による監督、さらに金商法によるディスクロージャー、業法の規制を受けています。そのため、裸のままの信託の本質の理論が妥当するのかは疑問です。なお、投資信託以外の信託の利用としては、買収防衛策や流動化のためのスキームが考えられます。これらの利用もそれぞれ独自の視点からの規律を受けています。

このように、信託法の分野では、商事信託の存在を抜きにしては、その正確な性質を把握することはできなくなっているものと考えられます。

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中国の証券法

日本で金融商品取引法があるように、中国でもこれに相当する「中華人民共和国証券法」があります。

同法は、彼国のイデオロギー、国有企業改革との関係もあって、非常な難産のうけ生み出されたものです。ちなみに証券法は、2006年1月1日から施行されています。

中国証券法の大きな特徴は、いまだ計画経済的色彩が色濃く残っている点です。

例えば、有価証券届出書については、金商法では届出制、アメリカでも登録制ですが、中国では「核準制」という独自の制度をとっています。

「核準制」とは、審査確認制のことで、中国では公開有価証券(日本の募集に相当。①不特定多数の者に発行、②特定の200人以上の者に発行、④その他法令で定める場合)を発行する場合には、国務院の証券監督管理機構の「核準」を受けなければならないとされています。

また、有価証券報告書に相当する年度報告は、上場企業に義務が課せられていますが、そもそもこの上場自体も政府によるコントロールがなされているようです。

このように、中国の証券法は政治イデオロギーの影響のもと、彼国独自の色彩を有したものとなっています。

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大暴落

 最近書店で「大暴落1929」という本を見つけました。

 同書の著者は著名な経済学者であるジョン・K・ガルブレイス。初版は1954年とのこと。

 経済学者が書いた本といってもドキュメンタリーに近く、読みやすい本です。

 この本を読んでいると、昔からバブルとバブルの崩壊が繰り返されているのだということに改めて気付きます。同書いわく、「ブームは必ず終わる」とのこと。

 法律の世界でも同じで、M&Aブーム、知財ブーム、会社法ブームから個人情報保護法ブームなど多くのブームがあります。また、ロースクールブームなど、法律の担い手についてもブームがありました。

 「ブームは必ず終わる」ものというのは真理ですが、ブームにのった当事者はなかなかそれを認めることができないというのも、人間なのかもしれません。

 つい先日、司法修習生の2回試験の不合格が3ケタになったとの報道もありました。ブーム後をいかに乗り切れるか。それが真の強さであると思います。今後の新制度下での法曹の活躍が期待されるところです。

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