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投資信託1

信託法が大改正されて、はや1年が経っています。

「信託」という言葉自体は「信託銀行」たど物心がついたときにはしっていたのですが、法律的にその存在を理解したのは、破産法の講義のときでした。破産法には破産財団や破産管財人の地位、破産債権者の地位、否認権等を整合的に説明するための理論として、破産理論というものがあります。

この破産理論としては、なんといっても兼子一の「暗星理論」が有名です。これは、破産法の種々の制度を理解するために破産財団に見えざる法人格を認めるという理論です。

暗星とはブラックホールのことで、目では見えないのだけど、理論的に詰めていくとそこに星がなければおかしい。すなわち、破産法の制度を整合的に位置付けていくとすると破産財団に法人格がなければおかしいというわけです。

その後、亜種として信託説というものが出てきました。すなわち、破産理論は信託だとすることで説明できるのではないのかというものです。

ここで初めて信託というものに興味をもったのですが、そもそも信託法の分野でも信託という制度をどのように位置づけるのかで議論があり、信託説は破産法の議論の答えを信託法に押し付けているようにも思えます。

このような哲学的な理論に興味を持ちつつ、あまり存在意義を感じないのは、信託というものが民法の世界よりも商法の世界で多く使われているためかもしれません。商法の分野では、哲学的な理論的整合性よりは、スキームとしての側面をそのまま受け入れる傾向にあるように考えられます。

信託で一番多く使われているのは、なんといっても投資信託ではないでしょうか。投資信託は多くの人が購入しているものであり、アメリカでは預金残高を越えているとまでいわれています。

投資信託には「投資信託及び投資法人に関する法律」というものがあり、信託法による規律だけでなく特別法による監督、さらに金商法によるディスクロージャー、業法の規制を受けています。そのため、裸のままの信託の本質の理論が妥当するのかは疑問です。なお、投資信託以外の信託の利用としては、買収防衛策や流動化のためのスキームが考えられます。これらの利用もそれぞれ独自の視点からの規律を受けています。

このように、信託法の分野では、商事信託の存在を抜きにしては、その正確な性質を把握することはできなくなっているものと考えられます。

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